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登場人物
カミナ
シモン
ヨーコ
ロシウ
リーロン(ロン)
獣人・メカロン
グレン団面々ちょっと。
○ 暗闇――
光も何も無い場所。闇と静寂。
小さな鼓動が聞こえる。
うずくまり頭を抱え震えているシ
モンの姿。額には冷や汗。息が荒く
なっている。体中には傷と汚れ。
一瞬、暗闇の一点に光が走るとシモ
ンに向かって銃弾が飛んでくる。
シモン「うわぁっ!?」
カミナ「とぉりゃああああっ!」
間一髪、カミナが盾となり刀でそれ
を受けると体を大きく反らして弾
を凌ぐ。カミナの体も傷だらけ。
シモン(OFF)「アニキッ!」
タイトル『真っ暗闇でも前を見ろ!』
シモンの襟首を掴んで後転し受身
を取るカミナ、そこへ更に3発続け
ての銃撃。
稲妻の様な破裂音が闇を切り裂く。
体に新たな掠り傷、ニヤリと笑うカ
ミナ。
カミナ「こんな暗闇じゃ自慢の腕も発揮で
ねぇんじゃねぇか?」
ヨーコ(OFF)「…もう」
キン、と乾いた音を立てて跳ねる薬
莢がキラリと光る。
暗闇の中に薄っすらと見えてくる
ヨーコの姿…とグレン団の仲間の
姿が数人。みんな瞳が曇っている。
ヨーコ「(銃口をカミナに構え直して)あ
んたを信じられない」
ロシウ(OFF)「どうなってるんですか
これはぁあああっ!!」
逃げ惑うロシウがシモンとカミナ
の視界にも薄っすらと入ってくる。
体スレスレを銃弾が掠めて行く。
ロシウ「ぶへっ!?」
一直線にカミナの方へ走って行く
とカミナに峰打ちで後方へと吹っ
飛ばされるロシウ、宙を舞ってぐし
ゃりと落ちる。
頭上に見える子供たちの姿。
ハッとするロシウ。鈍く光る斧を振
り下ろす子供たち。轟く衝撃音。
息を荒げてカミナの背中に着くロ
シウ。
ロシウ「何するんですかっ」
カミナ「すまん、知っててやった」
ロン「(ぬぅっとロシウの足下に現れて)
何らかの受波汚染が精神に干渉して意
識を乗っ取られているみたいね」
ロシウ「うわぁああ! どっから湧いて出
るんだっ」
ヨーコ「あっはははは、この暗闇じゃあ仲
間の顔も分かるまい」
カミナ「ヨーコじゃねぇな…お前ぇは一体
だれ…!?」
ハッとするカミナ、気付くとヨーコ
はカミナの目の前に立ちカミナの
左手を取っている。
その手を自分の右胸に押し付け顔
をずいとカミナに近付けるヨーコ。
ヨーコ「ヨーコ…そう、あたしはヨーコよ。
あんたの仲間のヨーコ。それとも信
じられないの? 大切な仲間を」
不敵に笑うヨーコ。
カミナ「あんだけバンバン撃ちやがったク
セに…!!」
カミナ、歯を食い縛って目を凝らし
ヨーコを見定める。
ヨーコの銃口がキラリと光りカミ
ナに向けられる。
カミナ「ちぃっ」
それと同時にカミナの刀もヨーコ
に振り下ろされる。
ブータ「(シモンの胸元から飛び出てきて)
ぶぃーっ!」
シモン「(ブータを見てハッとし)だめだ
アニキ! それは本物のヨーコ…」
金属音と銃声が轟く。
髪留めが落ちてほどけた長い髪を
舞わせながら倒れるヨーコ。
刀を落として右肩から流血し倒れ
るカミナ。
シモン「アニキィイイイイっ」
ロシウ「ヨーコさん!?」
這いつくばりながら手探りでカミ
ナに近付くシモン、カミナに触れる
とぬるっとした血の感触に手が震
えてしまう。
シモン「もうダメだ…オレは…どうすれば
いい!」
カミナ「(バッとシモンの手を掴み)バカ
ヤロウ、シモン! この期に及んで何を
迷う」
シモン「でも、みんな(仲間)が敵だし、
オレ、分からないし、見えないし、どう
したら…」
カミナ「どうせ吐くなら“強音”を吐けシ
モン。だがお前がお前らしくあることを
ためらう必要は無い。ウジウジしたけり
ゃウジウジしてろ。でもここで決めなき
ゃ男が立たねぇ!」
シモンが首から提げているコアド
リルをガシリと握り締めるカミナ、
シモンの顔を引き寄せる。
カミナ「光ってのは心ん中で輝いてりゃ目
で見えなくとも迷いやしねぇ。行って来
い、“穴掘り”シモン! でっけぇ風穴
開けるんだ!!」
カミナが手を開くとコアドリルか
ら神々しい光が放たれている。
ハッとするシモン、ロシウ、ロン(顔
にメカっぽい螺子が見える)。
足下も同じ様に光が満ちてきてい
る。
シモン「うん! 待っててアニキ!!」
壮絶な勢いで足下を掘り出すシモ
ン、直ぐに床が抜けるとその穴へ落
ちて行く。
ロン「ちょっと、あの子大丈夫なの!?」
カミナ「(ゆっくりと起き上がって)あん?
お前ぇは仲間を信じられねぇのか?」
ロン「(少し焦って)いや、そういうワケ
じゃ…」
キタン「おいロン、顔の螺子が緩んでるぜ」
ロン「え!? 何処ドコ…はっ!!」
カミナ「やっぱりお前ぇが」
ロシウ「ニセモノかっ」
ロンを思い切り蹴り上げる2人。
ロンの面がひび割れて獣人の黒い
顔が少し露わになる。
メカ(獣人)ロン「(宙を舞いながら)ま
さかバレるとは…お前らこいつらを始
末しろっ」
非常灯が点く。そこには銃を構えて
辺りを囲むグレン団の面々。
余裕で構えるカミナ、サングラスを
掛けて笑みをこぼす。
メカロン「撃てぇええええ!?」
メカロンのアンテナ機械パーツを
破壊する一発の銃撃。
ヨーコ(OFF)「暗闇だって腕は落ちな
いわよ失礼ね…」
ぐしゃりと落ちるメカロン。
ハッと我に返るグレン団の面々、取
り付けられていた受信機のパーツ
が落ちる。ヨーコの髪留めの横にも
真っ二つになった受信機。
ヨーコ「(ニッと笑って)あたしだって地
下育ちよ」
メカロン「こここうなったらガンメンで直
接…!」
カミナ「(その言葉を遮る様に)俺には止
められねぇモンが2つある。時の流れと
乙女心。それと…覚悟を決めた、男の拳
だっ」
カミナを掠めるようにグレンラガ
ンの拳が壁を突き破ってメカロン
とガンメンを吹っ飛ばす。
メカロン「みっつじゃぁあああん!」
腕を組んで構えるカミナ、その後ろ
にはグレンラガン。
風穴の開いた壁の向こう、山々の隙
間から夕日が顔を出し2人に燃え
ている様な後光が差し込む。
シモン「(コクピットから)アニキっ」
カミナ「(コクピットに乗り込んで)応っ」
ヘロヘロのメカロンを覆うグレン
ラガンの影。
メカロン「くそう! 一瞬でも仲間を疑っ
た貴様らに…人間ごときに!!」
カミナ「失敗なんざ覚えちゃいねぇ。一秒
過ぎればもう過去さ」
シモン「不出来でも一本気の通った俺たち
の足は…」
カミナ・シモン「あいにく前にしか進まね
ぇんだよっ!!」
身構えるグレンラガン。
カミナ・シモン「ギガドリルゥ…!!!!!」
光に包まれる2人の顔、メカロン。
溶白――。
○ 地上・荒原(早朝)
辺りはまだ闇。だが星空と月の明か
りが一帯を照らしている。
その中をダラダラと歩くグレン団。
ヨーコ「(ぐったりした顔で)何だかずっ
と暗闇にいるみたいね」
カミナ「(コクピットを開けて寝そべり)
よく見ろよ、俺たちにはお月さんて仲間
もいるんだ」
ヨーコがカミナに向かって何かを
囁く。
カミナ「あん? 何か言ったか?」
ヨーコ「…ううん!(笑顔で首を振る)」
以下ダラダラとした2人のやりと
りをヨーコ目線、遠巻きに見ている。
シモン「でもホントに危なかったね…次あ
んな目にあったら俺はもう……」
カミナ「(起き上がってシモンを睨み)コ
ノヤロー、いつまでもウジウジしやがっ
て!」
ヨーコM『あんたはさ』
シモン「ええ!? だってウジウジしてて
もいいって言ったじゃん!」
カミナ「言ったよ、別に構いやしねぇ。で
も俺は嫌いだっ」
シモンへと飛び掛かるカミナ。
朝日が差し込み2人を照らす。
一同、笑顔で歩いて行く。
ヨーコM『あんたは、太陽だね』
■第一部END■
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